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共同研究の
種別
計画研究の種別は、次の通りです。
(1)
センター計画研究への参加
本センターでは、分野を超えたセンター教員の研究チームによるセンター計画研究として次の4課題を策定しました。これらに参加する共同研究課題を募集します。
新規研究課題名: 「気候システムにおける対流・降水の日変化過程の解明-新規」
(対応教員:安成哲三)
熱帯・亜熱帯地域の陸上及び周辺海洋域では、降水や雲活動の日変化が非常に顕著であり、これら
日変化を介した地表面、大気境界層と自由大気とのエネルギー交換が大気循環場の形成によって重要であることを示唆している。近年、時間的・空間的に高解像
度の静止気象衛星データが利用可能になったことや、TRMM(熱帯降雨観測衛星)データの蓄積により、対流活動の日変化の地形依存性や降水システムの地域
特性等が分かってきた。しかし、GCMなどの気候モデルにおいては依然として降水や対流に日変化はうまく再現されていない。これは降水・対流活動の日変化
過程が季節や地域ごとに多種多様であることが要因の一つである。またこの日変化の問題は、WCRPのモデリング研究においても、当面の熱帯、モンスーン気
候モデリングにおける最重要課題として位置付けられ、CLIVAR,GEWEXなど関連プログラムが連携した国際的な研究枠組みが作られつつある。
本計画研究では、このような国際的背景と、HyARCにおけるこれまでのこの課題に関連した研究の蓄積をもとに、静止気象衛星やTRMMといったリモー
トセンシングデータを用いた広域的な日変化の研究をさらに進めるとともに、地点降水量データやモデルを用いて、日変化過程の地域特性、季節性を明らかにす
ることを目的とした研究を募集します。また、現在、日本が立案を進めているGAME計画としてのMAHASRIでも、日変化の実態とモデリングは、目標の
重要課題として、位置づけられている。本計画を通して、これらの国内外の日変化研究の相互協力と情報交換も期待している。
研究課題名: 「高解像度領域モデルの高度利用の展開」
(継続・対応教員:坪木和久)
雲・降水システムは雲スケールから大規模擾乱スケー
ルまでの間にいくつもの階層構造をなしている。地球水循環における階層構造のそれぞれは固有の役割を持っている一方でそれらは相互に影響を及ぼし多様な
水・物質の循環が形成される。これまで当センターの研究計画で高解像度の領域数値モデル CReSS(Cloud
Resolving Storm
Simulator)を用いたマルチスケール水循環モデリングに関する研究を実施してきた。この研究では雲を詳細に表現し、かつ並列計算により大規模な領
域を1km以下のメッシュでシュミレーションを行うことにより、領域内に起こるすべてのスケールの水循環とそれに係わる現象を、対流のパラメタリゼーショ
ンを用いることなく、最小スケールの雲そのものから大規模まで、すべてを陽にシュミレーションすることを行ってきた。その結果、このような高解像度モデル
を用いることで、雲・降水のマルチスケールモデリングのみならず、モデルの様々な利用により水循環とそれに伴う物質循環の研究を発展させる可能性が示唆さ
れた。そこでその発展的継続として本研究課題は領域水循環の高解像度モデリングだけでなく、高解像度非静力学モデルの様々な高度利用を展開したい。具体的
には、雲・降水システムのマルチスケールモデリング、竜巻、台風、雹、集中豪雨、豪雪などのhigh-impact気象の予測と防災、電荷輸送と雷予測、
花粉やエアロゾルなどの物質輸送、高解像度モデリングにおける観測データとの融合、全球モデルとの結合による広域水循環モデリング、他圏(海洋圏、陸面、
雲氷圏)との領域結合モデリングなどについての課題があげられる。これらを含む様々な高解像度モデリングについて当センターと共同研究を進める課題を公募
する。他にモデルの力学過程や物理過程の改良、計算結果のvisualizationを含めたモデルの多様化も推進する。
研究課題名:「マルチスケールの水循環過程に対する水の水素・酸素安定同位体の応用」
(継続・対応教員:檜山哲哉)
水を構成する水素・酸素の安定同位体(以後、水の安定同位体と称する)の指標として、海水を基準とした水サンプルの同位体比(δDとδ18O)およ び、d値 [d値(‰)=δD-8×δ18O] がある。これら水の安定同位体の3つの指標は、水の蒸発・凝結時の同位体分別における平衡・非平衡過程に基づいて、水の起源の特定や、起源 を異にする水の混合過程を論ずる研究等に用いられている。
本計画研究課題では、水の安定同位体を用いた広域的な水循環過程の研究を促進するとともに、関係する研究者間の交流を進める。また、観測・分析手法と同
位対比測定の精度の問題から研究例が少なかった局域的な三循環過程(メソスケールの雲・降水過程)に、水の安定同位体を用いる方法論を探り、新たな観測
的・数値モデル的研究を企画、実行する。同時に、水の安定同位体を用いて地球水循環研究を行っている国内(外)の研究者を本センターに招聘し、発表・議論
する機会を設けることで、地球水循環研究のさらなる発展を目指す。
本計画研究課題では、同時に、本センターが総合地球環境学研究所を協働して管理・運用している質量分析計を使用し、国内から広く分析依頼を受け、分析結
果を依頼者に提供することで水の安定同位体を用いた水循環研究に寄与する。したがって、水の安定同位体分析を依頼される研究者は、この計画研究に積極的に
応募されることを期待する。
研究課題名:「沖縄亜熱帯域における雲・降水システムと大気境界層、海洋表層の観測的研究」
(継続・対応教員:中村健治・森本昭彦)
NICTは沖縄亜熱帯計測技術センター(NICT沖
縄)に5GHz帯偏波ドップラレーダ、2機(400MHz、1.4GHz)のウィンドプロファイラ、ドップラソーダの大気リモートセンシング測器を整備し
ている。偏波ドップラレーダには2式のバイスタティック受信機システムを備え降水システム中の気流の3次元構造を観測できる。また地上には、通常式雨量計
の他、光学式雨量計や雨滴計を備えている。このようにNICT沖縄は降水システムの観測サイトしてわが国国内としては最良・最新の観測サイトとなってい
る。さらにNICT沖縄は沖縄本島にあり台風などの頻繁通過域に当たり、また梅雨前線やメイユ(中国の梅雨に相当する季節降水)などアジアモンスーンの影
響下にある降水システムの水蒸気源の領域にあり、地域的にも重要である。NICTの施設は先進的気象観測サイトとして、また将来の衛星による全球降水観測
計画(Global
Precipitation Measurement :
GPM)の地上検証用サイトとしても大きな意義がある。また、海洋に関しても、NICTが開発したVHF帯帯海洋レーダを2式運用しており、沖縄域の海象
の常時モニターを行っている。本研究は2年目であり、沖縄レーダ群のデータに関してもデータアーカイブがある程度なされてるので、データ利用に共同研究も
進める。
(2)
研究集会
地球水循環システムの構造と変動に関する研究の成果発表、又は研究企画・立案のために本センターで開催する研究集会を公募します。
(3)
機器利用
当センターで保有する共同利用機器を利用できます。(
別表参照)
2
申請者の資格
大学及び公共的研究機関の研究者又はこれに準ずる研究者でセンター長が適当と認めたも
の。
3
申請方法
申請研究代表者は(当センターに所属されない方は、当センターの対応教員を決めた上で)所定の申請書別紙様式1 [
word] [
pdf] 1通を名古屋大学環境学研究科・地球水循環研究センター事務部庶務掛宛に郵送するとともに、e-mailにより「kyodo」まで送付ください(アットマークの後ろにhyarc.nagoya-u.ac.jpをつけてください)。
4
共同研究期間
採択日から平成19年3月15日迄の期間
5
採否の決定
共同研究の採否は、当センターの共同利用委員会で審査し、運営委員会の議を経てセンター長が決定し、その結果を研究代表者に通知します。
6
所要経費
共同研究に必要な研究経費については、予算の範囲内で配分額を決めます。
なお、配分額については、当センターの対応教員より通知します。
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共同研究の成果報告
研究代表者は、平成19年3月31日までに「共同研究報告書」(様式;別紙様式2)
[
word], [
pdf]) をe-mailによりHyARC研究協力事務室まで送付ください。
なお、共同研究の成果を学術論文又は報告書として発表した場合は、当センターとの共同研究であることを明記し、その別刷り又はコピー一部を当センター研究協力事務室に提出してください。
8
提出書類の締切
平成18年3月31日(金)
です。
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申請書の提出及び問い合わせ先
〒464-8601 名古屋市千種区不老町
名古屋大学環境学研究科・地球水循環センター事務部庶務掛
電話:052-789-4273(ダイヤルイン)、 FAX:052-789-
3452
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成果報告書の提出及び問い合わせ先
〒464-8601 名古屋市千種区不老町
名古屋大学地球水循環センター研究協力事務室
電話:052-789-3466(ダイヤルイン)、 FAX:052-789-
3459