地球上には1370 x 106km3という膨大な量の水がありますが、その97%以上は海水、2%が雪氷として存在しており、淡水の割合は1%にも満たないと考えられています。 この水を人間が利用してしまえば、あっという間になくなってしまいそうなものですが、水は地球上で循環し我々の利用できる淡水も常に生み出されています。
特に海に囲まれた日本は、周辺で形成される水蒸気のため湿潤な気候に保たれ、降水量も多く水に恵まれ、森林も多い国です。 そのため日本では普段の生活で気が付かなくても、周りに水はいつでもある存在です。しかし、世界の中では必ずしも水に恵まれていない場所も多くあり、
一方では集中豪雨や台風、洪水など水に関係する災害の頻発する場所もあります。 最近は、気候の変化によって、この水の循環が大きく変化しつつあるという見方もあり、その研究の必要性が増しています。
名古屋大学地球水循環研究センターは、大気圏・陸圏・海洋圏・生物圏を通した水の循環に関する全国で唯一の研究センターとして、
平成13年4月に発足しました。台風など地域的な気象現象から広域の降水、さらには陸上植生や海洋生態系と気象・気候との係わりまで、
地球表層の水循環の実態とその変動に関して現地観測・衛星観測・数値モデルなどを利用した研究を進めています。
平成22年には全国共同利用・共同研究拠点として認定され、全国の関連研究機関と共同研究を進めております。
今後もこれらの研究成果を社会に貢献したいと考えております。
平成25年4月1日
地球水循環研究センター長 石坂 丞二